株式投資において簿記は必要なのか迷っていませんか?
たしかに簿記は、企業の財務諸表を見られるようになりますが、株式投資に簿記は必須ではありません。
株式投資では投資スタイルによって、必要なスキルが変わってくるからです。
この記事では、あなたの投資スタイルに簿記が必要かがわかります。
最速で稼ぐために「本当に必要な勉強すべきこと」も紹介していますので、参考にしてみてください。
簿記3級を取得した筆者が、株式投資を実践した体験談も交えて紹介します。
株式投資で簿記取得は必須ではない【取得した筆者の見解とおすすめ投資勉強法】
株式投資において簿記は必須ではありません。
あなたの投資スタイルによって、必要な知識が変わってくるからです。
必要かどうかを見極めないと、本当は必要ないのに無駄に時間を浪費してしまうかもしれません。
簿記3級を独学する場合、100〜150時間の勉強時間が必要とされているため、たとえば時給1,000円に換算すると10〜15万円になります。
本当に簿記にそれほどの価値があるか考える必要がありますね。
それでは、時間を無駄にしないために、自分にとって簿記が本当に必要かを見極めていきましょう。
簿記を勉強すれば株式投資で儲かるわけではない
株式投資で利益を出すには、簿記の知識だけでは不十分でしょう。
チャートの見方や情報収集力、経験などの総合力で結果が変わってくるからです。
また、大切なスキルとして暴落したときに耐える精神力や、理論的な考え方もあります。
簿記を勉強すれば儲かるわけではないことを理解しておきましょう。
簿記が必要な人とは
簿記が必要な人は後述する「中長期投資」をする人です。
中長期投資では長期的に株価の動きを考えなければならないため、財務諸表を読み解く力が必要だからですね。
簿記の知識はないけど儲かっている人は、簿記が必要ない投資スタイルではないでしょうか。
次の項目で具体的に「どのような投資スタイルなら簿記が必要なのか」をチェックしてみましょう。
株式投資のスタイルによって簿記が必要か考えよう
あなたの投資スタイルには、簿記の知識が必要か確認してみましょう。
基本的には「短期投資」と「中長期投資」の2種類があります。
短期投資(デイトレードやスイングトレード)
短期投資は数秒や数分で売買をする投資スタイルで、長くても数日には売ってしまいます。
チャートや板を手がかりに売買をするテクニカル分析のため、企業の詳しい情報は必要なく、簿記の知識は必要ありません。
短期的な売買のため、財務諸表を見て長期的な傾向を把握しなくてよいのです。
資産100億円の有名なデイトレーダーでも、財務諸表は見ていなかったようです。
下記の動画でご確認ください。
中長期投資
中長期の投資はファンダメンタルズ分析をするため、簿記の知識が役に立つでしょう。
財務諸表や企業のニュースなどを、読み解くことが大切だからです。
しかし、簿記の知識すべてが必要というわけではなく、財務諸表を読み解くことができればそれ以上の知識は必要ありません。
このように投資スタイルによって簿記の必要性が変わります。
簿記を勉強することで本当の経営状況がわかる
簿記を勉強すると、財務諸表を読めるようになるため、企業の経営状況や今年の利益などがわかります。
「年商〇〇億!」「〇〇の銘柄がおすすめ!」などの誘い文句も理論的に分析でき、損をする可能性が低くなるでしょう。
ここでは、財務諸表と呼ばれる下記の2つの表について解説します。
このふたつを読み解ければ、簿記のすべてを勉強する必要はありません。
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)
別名「BS(ビーエス)」や「バランスシート」と呼ばれる「会社の財産」がわかる表です。
資産と負債、純資産がわかるため、借金や現金をどれだけ持っているかがわかります。
損益計算書(そんえきけいさんしょ)
別名「PL(ピーエル)」と呼ばれる「今年の経営成績」がわかる表です。
費用と収益、純利益に分けられるため、今年はどれだけ儲かったかがわかります。
株式投資で稼ぐために効率的な勉強とは
株式投資で稼ぐためには投資スタイルに合わせて、効率的に勉強しなくてはいけません。
短期投資と中長期投資にわけて、それぞれに必要な勉強を確認しましょう。
短期投資
チャートの変動パターンを一通り覚える
チャートの基本的な変動パターンは理解しておきましょう。
デイトレードで利益を出すためには、チャートの動きを読むことが最も重視されます。
動きを読むことで、損切りやナンピン買いなど、テクニカルな売買ができるようになります。
利確・損切りのタイミングを体感
基本的な変動チャートの動きを理解したら、少額でよいので実際に取引してみましょう。
自分のお金を使わないと、緊張感や責任感を感じづらいためです。
そこで「ちょっと上がったら利確」「下がりそうだなと思ったら損切り」というふうにちょっとづつ取引の経験を増やしていきましょう。
中長期投資
貸借対照表と損益計算書
貸借対照表と損益計算書は読めるようになりましょう。
投資先を決めるための大事なデータになります。
「資産に対して負債と純資産がどれほどあるか」「費用に対して収益と純利益がどれほどあるか」と分析することで、企業の財務状況が紐解けます。
PERとPBR
PER(利益から見て株価が割安かどうかの指標)とPBR(資産から見て株価が割安かどうかの指標)を理解しましょう。
投資先を決める際の参考になる重要な指標ですので、必須の知識です。
決算やニュースでの変動の理解
株価は決算やニュースによって大きく変動することがあります。
決算やニュースの内容によって、どう変動するのかをパターン化してストックしておくことが大切です。
株式投資をしている筆者が簿記を取得して良かったこと
筆者は簿記3級を取得して株式投資をしています。
中長期投資スタイルのため、簿記の知識は比較的役に立っていると感じます。
3級では最終的に貸借対照表と損益計算書を作ることが目的のため、各勘定の計算から勉強できますよ。
ただ、簿記では単純に「読めるようになる」だけでも充分に活用できます。
まとめ:投資スタイルを決めてから簿記を勉強するか決めよう
自分の投資スタイルがまだ確立していない方は、投資スタイルを決めてから簿記を勉強するか決めましょう。
短期投資スタイルの人は簿記の知識は必要ありません。
中長期投資スタイルの人は簿記を勉強してもよいですが、財務諸表と呼ばれる「貸借対照表」と「損益計算書」だけ読めるようになれば、ひとまず問題ないでしょう。
闇雲に「株式投資=簿記」と決めつけてしまうと、時間がかかってしまい遠回りになりますよ。
必要最低限の勉強をしたら早速実践してみましょう。